7代で潰えた偉大なる貴族の家系

アシュフォード家


 アシュフォード家の当主は、創始者ベロニカに始まり、南極基地で死亡したアルフレッドまで7代続いた。

 当主になる為には同じ血筋、つまり直系でなければならず、それは、前当主の死亡が確認されてからでないとならない。

 しかし、行方不明となった6代目当主アレクサンダーについては、南極基地にて監禁状態であったため死亡ではないのだが、息子のアルフレッドが後継者となり、そのアルフレッドの代でアシュフォード家は完全に滅びるのである。

 そのアレクサンダーとは、オズウェル・E・スペンサーらとともに始祖ウイルスを発見したアシュフォード家5代目当主エドワードの息子であるが、自分にはウイルスの研究の能力が無いことを自覚し、共同研究を断念することとなった。
 しかし、自分が得意としていた専門分野である遺伝子工学を生かし、独自の「コード:ベロニカ」を発動させるのである。
 初代当主にして天才と謳われたベロニカ・アシュフォードの名をコードネームとするこの計画はまさに、ベロニカの再来が目的であるクローン実験であった。このクローン実験で天才を生み出し、ウイルスの研究に役立たせようとしたのである。

 1969年11月に南極に大規模な研究施設を建設し、計画を本格化させる。
代理母体の未受精卵に加工を施したベロニカの遺伝子を加え、1971年、実験は見事成功し、2人のクローン人間が誕生する。それがアルフレッドとその妹のアレクシアである。

 アルフレッドは能力的に期待はできなかったものの、その反面、妹のアレクシアはまさにベロニカ以上の超天才児で、その美貌もベロニカをはるか超越していた。アレクサンダーは人工的に天才を生み出すという神の真似事を見事成功させたのである。

 アレクシアは10歳で大学を主席で卒業し、南極基地の主任研究員に就職。
ウイルスの研究を進め、独自に開発したウイルス「t-veronica」を生み出すのである。
 しかし、研究が進むにつれ、アレクシアは信じられない行動にでた。

 高度な知能と引き換えに人間性というものを欠いていたアレクシアはアシュフォード家の繁栄よりも自己の繁栄を目指し暴走。
 まず手始めに「t-voronica」を父親であるアレクサンダーに無理やり投与し、実験体として利用した。
ウイルスと共生できなかったアレクサンダーは「ノスフェラトゥ」と呼ばれる醜悪な怪物へと変貌してしまうのである。

 その後、数々の実験を繰り返し、今度は自分自身を実験体として「t-veronica」投与。
アレクシアは、実験中の事故死として報告された。
 しかし実際にはコールドスリープ(冷凍保存)されていたのである。そして、15年の時を経て、アレクシアはウイルスの共生に成功するのである。

 こうして、アレクサンダーがはじめた「コード:ベロニカ」計画は完全に失敗に終わり、アシュフォード家は急速に家計崩壊の道を突き進んでいくこととなるのである。